<こんな事を楽しんでいます>

福地啓枝

 「家にいながら、家事、育児、仕事の合間に楽しみませんか、書く事を、そして友とのふれあいを」をキャッチフレーズとして、文通を主としたサークル活動を始めてから、十六年が過ぎました。

会の活動は、子育て真最中のお母さん達を対象にノート回覧から始めました。五〜六人で一つのグループを組みノートを郵便で次の人に送っていきます。

ノートには、子育ての悩み、家族の事、近況報告等が書かれていて、その文に対して、メンバーが一言づつメッセージを書きます。
いつもそのメッセージに励まされました。とかく自分だけではないかと思ってしまいがちなので、皆そうなんだと気が軽くなった日々でした。

一ヵ月に一回の割りで回って来るノートを待つ日、郵便やさんのバイクの音は嬉しかったです。若いお母さん達を対象として始めたのですが異年代の方との交流を望む方も増えマスコミの力をお借りして、「会員募集」を載せて頂きました。

これを機にノートから便箋に変えてカード回覧としました。90円で届くので好評で、1人の方も複数のカードに入り、種類も増えました。
30代から70代の人達が年代別にグループを組み、その中でも婦人だけのグループ熟年独身混合グループがあります他、幅広い年代の人達で一つのグループを組む、文家族グループまであります。

地区別のグループでは富士、清水、藤枝、北海道、全国とあり近くの人達とも交流できます。そしてもう一つ趣味のグループがあります。

ハイキング、カラオケ、絵手紙、コーラス、園芸、川柳があります。文書で楽しむ他、種苗の交換等、ハイキング、カラオケ会も行っています。

一年に一回の親睦会も今年は十六回目を迎えました。日頃行事に出席出来ない方もこの日だけは約束し合って出席されます。以前北海道から地区長様がいらして下さって新聞でも取り上げて頂き、会員も増えました。

人と人が出逢うきっかけのサポートをさせて頂いた十六年間、私が一番嬉しく思う事は、永い間、存会して頂いている方、家族の様に思える方との出逢いでした。
娘さんを幼い時亡くし、生きていれば私位の年になるそうで御夫婦で娘の様に温かくして頂きました。兄姉のいない私は温かい心で応援してくれる年上の方々を兄や姉の様に思い助けて頂いています。

又、娘を置いて出て来た母親と、母親に置いていかれた娘の様な年頃の人との出会いもありました。血がつながっていなくても家族の様に思える方々との出逢いがあります。
親戚、近所、職場、学校とは又違った人達との出逢い、ここで出逢いについて「自筆文集」の中から紹介します。

脳梗塞で倒れられた方が、リハビリのため書道を学び、一生懸命書き写してくれました。

「良き出逢いを」
人生の節目節目に出逢いがあり、その出逢いが人生を決めます。
天の恵みという他ありません。人間一生のうち逢うべき人には必ず逢える、しかも一瞬、早すぎず一瞬遅すぎない時に、縁を縁として見逃す人もいれば、縁を縁として、知りつつ生かし得ない人や袖ふりあう縁を生かし得る人がある。

この言葉に感動しました。この言葉に続けても良い言葉を友人が新聞から見つけて教えてくれました。
 皆出逢ったばかりは楽しくていい人なのですね。

「出逢いが人に幅をもたせ転機をもたらす事は言うまでもない。しかしその出逢いを終生温め続けるのは難しい、思いやりと謙虚さが必要なのだろう。」

今日、この会場にいらして聞いて下さったのも何かの御縁ですね、この御縁大切にしたいです。
 本日は静岡市の花「タチアオイ」の種と「熟年倶楽部」、「ふみくらぶ」の会案内を用意いたしました。新しい出逢いのきっかけの一つとして、お持ち帰り頂ければ幸いです。

 永い人生です。少し寄り道して文書で遊んでみませんか、遊びの中から何かが見つかります。30代のヤングママさんから70代実年の方々まで150名の方がいます。

静岡を発信地として熟年倶楽部は県内に北海道に全国に拡がっていきます。




文通サークル熟年倶楽部(私書箱182)
静岡市住吉町二丁目

福地啓枝