<中高年、再就職しておもうこと>
鷲巣 広美
最近では、いろいろな価値観がそれぞれ認められるようになりました。
女性の幸せは結婚だけだと決めつけることはもう通用しなくなりました。
それでも家庭に入り幸せを求める人は大勢いますから、外で働こうと思えばそれなりの心構えが必要です。
家族や恋人など大切な人たちが自分の外で働くことを認めてくれないとき、どうしたらよいのでしょうか。
家族の反対を押し切って働きにでますと、結局は家庭の平和が乱れてそのために、仕事のほうもおろそかになり、すべてうまくいかなくなります。
もし、意志の強いがんばりやさんならば、周囲の反対があっても、良いと信じる道を選んで自分の人生を歩み、何年か先に、少しでも成功すれば、反対した人たちにも初めて理解され、祝福してもらえるという生き方もあります。
これは素晴らしいと思いますが、長い年月の厳しさを当然覚悟しなければなりませんし、人の性格にもよりますから誰にでも勧められるものではありません。
一般的にいえばアメリカのヒラリーさんの例をあげるまでもなく、仕事で十分活躍するためには、家族の暖かな応援と協力が大きな力となります。
そこで、女性が社会で働く場合には、先ず、身近な人の理解や協力が得られるように話し合い、努力する必要があります。仕事を持てば、責任は果たさなければなりません。
家庭内では、家族が思いやりの心で助け合わないと、家の中はうまくいかないでしょう。
妻が外で働くことなど思いもよらないような男性と、恋愛したり、結婚してしまえば、協力を得るどころではないのが現実でありますが、この点、興味深いのは、つぎの事実です。
それは、女性の社会的進出に好意的で、外で働く妻に協力を惜しまない夫たちの多くは、何と自分の母親が家事以外の仕事をしていた経験があるといわれることです。
こうして見ますと、現在女性たちが苦労しながらでも、家族の理解を少しでも得られるように努め、社会に一歩でも進出していけば将来、次の世代には仕事を持つ女性に対し協力的な男性が増え、女性にとっての仕事と家庭の両立が今よりも容易になる環境が整ってくるかもしれません。
さて、職場で働き始めたなら、働くことに喜びを見出したいものです。
それには、なんと言っても心の持ち方が大切でしょう。
幸せとは優しくしてもらう時だけ感じられるものではありません。辛いことでも精いっぱいチャレンジして、やっとやり挙げた時の充実感は素晴らしいものでしょう。
仕事から得る喜び、仕事から生まれるやり甲斐とは、こうしたものだと思います。
働くということはもともと生易しいことではありません。
女性が社会に出ますと、まだまだ壁が多くて男性以上の厳しさを覚悟しなければなりません。
ともしますと、挫折感も強いでしょう。でも、苦労して働けば仕事を通じて自分の能力を伸ばし活用しながら、多くを学び知り、他人から啓発される機会に恵まれて、人間的に成長をはかることもできます。
働く以上は、一身上の都合で辞めるときも、最後まできちんと働いて「やはり、女は駄目だ」といわれないようにすれば、自分が惜しまれながら職場を去るばかりではなく、女性後輩たちの進路もせばめずにすみます。
静岡市みずほ町
鷲巣 広美
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