浪漫通りは彫刻ギャラリー


1978年(昭和53年)秋、待望の文化の殿堂「静岡市民文化会館」が完成した。

これを記念して、会館前の広場に巨大な女体のブロンズ像の彫刻が、姿を現した。題して「南アルプス(掛井五郎作)」、5mの女体は空中に浮かび、広げた2本の腕は安倍川であり、大井川を表現したと説明されている。

「南アルプス(掛井五郎作)」 静岡市民文化会館


静岡市では、「彫刻のあるまちづくり」事業として、昭和58年から郷土に、ゆかりのある作家の作品を中心に公園や街角に設置している。「中堀 浪漫通り」には、これらの作品など多くの彫刻、石碑などが置かれていて、さながら美術ギャラリーである。

「明日へ」 1987 堤直美作


「中堀 浪漫通り」には駿府浪漫バスが通過する。ここは静岡市の見所、人気スポットである。

桜並木を見ながら駿府浪漫バスは進む


駿府浪漫バスは、赤いバスの「葵小町」、青い「家康公」、緑の「竹千代くん」の3台が約20分間隔で走る。

巽櫓(たつみやぐら)を背に立つ弥次喜多像


伊勢参りの弥次さん喜多さんも、府中宿で、一休み。

わさび漬け発祥の記念碑 「指人形」 1985 細谷泰滋作


わさびの栽培は、約400年前から安倍川上流の山間地 静岡市有東木ではじまったといわれている。

「歓」 1985 重岡建冶作


彫刻の後にある潅木が茂りすぎて、見えにくい。

美しい道を行くカソリックの尼僧


静かな、昼下がりの一時である。

旧制静岡商業高校跡地


旧制静岡商業高校は、明治32年誕生し、昭和10年、現在地の静岡市田町に移るまでここにあった。

「石曳きの詩」 1986 杉村孝作 


駿府城の石垣づくりをモチーフにした石像だろうか。

「ひととき」 1984 坂本雅子作


健康美ではちきれんばかりの母子三人像である。

この道をどこまでも行くと、いにしえの駿府城に至る


道は、どこまでも、どこまでもでもつづく。

「中堀 浪漫通り」を、何度も何度も回ると、貴方は、いつの間にか大御所家康がいる駿府城の前に立つ自分を見出すだろう。その時、貴方はタイムスリップし、慶長年間の駿府を体験できるに違いない。最後まで付きあってくれた貴方は幸運な人である。