障害者と高齢者にはパソコンを

大阪府堺市  杉村偕子

  1. 「午前中はリウマチタイム」

    私の一日は朝7時に始まる。36歳の時からリウマチになって以来の28年間の習慣で、休日でも必ず7時には起きる。何故ならその時間に起きて食事をして食後の薬を飲まないと一日が始まらないからだ。

    起きたばかりは手にこわばりがあり、体中の関節が痛むので、着替えにも時間がかかり洗顔、歯磨きなどは出来ない。食事の支度をしたり新聞を取りに行ったりしている内に、段々こわばりもとれてくる。食事を終わって薬を飲み食後の後かたづけをする頃には、ようやく手が動くようになって、歯磨きや洗顔が出来るようになる。

    朝の主婦の仕事は色々ある、洗濯、掃除などを普通の主婦はテキパキとするが、私はのろのろとやる。それでも午前10時頃になると朝飲んだ薬が効いてきて、痛みが楽になった日は、車の運転をして近所のスーパーまで買い出しに出かける。

    天候によって調子が悪い日は、家事は洗濯物を干す迄だけして寝ているので、買い物に行ける日には出来るだけまとめて買ってくることにしている。

    買い物から帰り昼食を済ませると、食休みと称して横になる。(要するにソファに寝ころんでテレビを見るのである)家にいれば必ず見る「徹子の部屋」が済んだ後の、午後2時からがパソコンタイムである。

  2. 「メールのチェックと返信」

    午後2時にメールのチェックをする。多いときは10通くらいのメールが入っている。
    毎日のようにメール交換をしている友人もあるので、その方々にまず返信メールを書く。まだ会ったこともない方々だがホームページを開設して以来、様々なことを語り合う楽しい友人達である。

    次に、初めてメールを下さった方々に、お礼のメールを書く。大体ホームページを訪問して下さった方である。その方の中には、ご自分のホームページを持っておられる方もあるので、そのページを見てからお礼とホームページを見た感想を書いて送る。

    よく「メールが多く来ると返事を書くのが大変ですよ」と言われる方があるが、私は昔から手紙を書くことが好きだったので苦にならない。右手の変形で字を書くことが出来なくなったとき、ワープロを始めたのは手紙を書きたかったからである。

  3. 「ホームページの作成時間」

    体調が良くて、メールのあまり来なかった日の午後と、夜8時以降でテレビの見る番組の無い日が、ホームページの時間となる。
    毎月1日と15日にトップページの写真を変える。毎月月末の水曜日はリウマチの会のページの更新をする。その他にも月に数回はホームページを更新するので、HP作成の本を読んだり、アニメーションを造ったり、新しいページを書いたりしていると、あっという間に時間が過ぎる。
    夜には関節の痛みが出てくるので、10時には入浴し鎮痛剤を用いて11時頃には寝ることにしている。

  4. 「楽しいパソコン生活」

    先日、ある会社から「高年齢者でパソコンを楽しんでいる人へのアンケート」がメールで送られてきた。
    その中に「これからパソコンを始めようとしている方に、その魅力をどのように言いますか」と言う項目があった。私は「パソコンは高齢者こそ始めるにふさわしい遊び道具である。」と答えた。

    理由は、まず時間があること。パソコンはじっくりと取り組まないと出来ない。(素早くできる人もあるのかも知れないが)。

    またパソコンは、頭で考えた事を手を使って作業をする。これはボケ防止に最も良いとお医者様も言われる事である。パソコンに限らず、俳句、絵画、陶芸、ゲートボールなどもその中にはいることであるが、私のような病気持ちで、スポーツが出来ず、字や絵を書くことも出来無い者にとっては、パソコンが何よりの遊び道具となる。

    インターネットはただ見ているだけでも楽しいが、各地の風景を見ているとその土地に行ったような気分も味わえるし、出不精の私でもそこへ行ってみたいと思うようにもなった。ホームページを見た感想を書くことから、友人が出来て交際範囲が広がる。

    ホームページを造ることも、簡単とは言えないがコツコツとやっていれば、タグ書きも想像していたよりは楽しい作業である。ホームページを開設した事により、多くの友人が出来たし、今まで興味がなかったことや知らなかったことにも目が向くようになった。パソコンを始めて本当に良かったと思うこの頃である。

杉村偕子63歳、私のページは「熟年のページ」です



杉村偕子さんは、朝日新聞の冊子「暮らしの風、2000年5月号」に載るなど3冊の雑誌に紹介された素晴らしい方です。ご夫婦でパソコン  ライフを楽しんでいます。ぜひページにアクセスして下さい。