いぼいぼ取れろ!いぼいぼ飛んでけ!
静岡のトムソーヤー
(文末の紹介新聞記事をご覧下さい)
東京都足立区西新井大師の
塩地蔵尊
いぼに塩をつける


人乳頭腫ウイルスの感染によって起こる伝染性いぼは「いぼいぼ取れろ。いぼいぼ飛んでけ。」などのおまじないをしたり、いぼ地蔵に祈ると取れることは昔から知られており、現実にそれを体験した人がけっこういると思います。

日本だけではなくアメリカの「トムソーヤーの冒険」にもいぼとりのおまじないでいぼが取れるお話が出ています。

これは脳の中枢から分泌された化学物質によるリンパ節とか骨髄などの免疫系への指令がいぼウイルスに対する免疫を成立させて治癒したものと考えられます。



ところで2年前から東海道400年祭参加のインターネットホームページ「夢出会い旅サイバー五十三次」の取材に夫婦で参加しました。東海道五十三次の取材旅を日本橋から京都三条大橋を目指して出発し、東海道、宮の宿(現在の名古屋市熱田)の二つ前の江戸から40番目の宿場の池鯉鮒(現在の知立市)で在原業平の墓と伝わる宝篋印塔を訪れました。

行ってみてびっくり。何と在原業平の墓がいぼとり神様だったのです。

宝篋印塔に溜まった雨水をイボにつけるといぼが落ちることからいぼとり神様として信仰を集めているとの説明がありました。
実は私は以前からいぼとり神様・仏様に興味をもっていました。

そんなわけで私の手元には書物の名前は忘れましたが、古い書物からコピーした「いぼとり神様と仏様」のリストがありました。このリストに加えてインターネット検索で探してみたら、日本全国で北は秋田県と岩手県から南は鹿児島県まで200か所以上のいぼとり神様・仏様が見つかりました。


早速いぼとり神様・仏様について専門書を紐解いてみましたところ「いぼ治療にはナスのへたやイチジクの汁などによる多くの民間療法があり、わが国では各地方に数多くのいぼとり地蔵がある。」程度のことしか記載がありません。

それでは具体的に調べてやろうではないかと思い立ち、いぼとり神様・仏様の取材旅を始めたわけです。取材のやり方は東海道取材旅で元マスコミプロのI氏と同行したことが大いに役に立ちました。かくして平成12年の
8月に夫婦合作の「いぼとり神様・仏様」のホームページを立ち上げることが出来ました。

静岡県豊田町弥藤太島の
弥藤観音
観音の額に手を当てて祈る


先ず取材は静岡県を中心に初め、東京都・神奈川県・山梨県・愛知県に手をのばしました。

いくつものいぼとり神様・仏様を訪れているうちに彼らを表舞台に登場させたくなり、今年の2月には取材も40か所を越えたのを機に学術的にまとめて、毎年東京で開催されている皮膚科心身医学研究会で「ウイルス性いぼにおける神仏療法のすすめ」という演題で発表しました。

その学術発表が縁で皮膚科専門誌から原稿依頼があって、「皮膚科診療」という専門誌の9月号にいぼとり神様・仏様についてを掲載することが出来て大変感激しています。


ところでいぼとり神様・仏様のいぼとりの儀式的な作法にはいろいろの伝統的な暗示テクニックがあります。

医学的にはどんな方法でもこころにインパクトを与え、免疫系に影響を与えていぼウイルスに対する免疫を作らせれば医学的には大成功です。私達が訪問取材したところが合計55か所で、そのうち静岡県にあるいぼとり神様・仏様は現在23か所ですが。暗示テクニック別に分類して静岡県中心に紹介します。

愛知県蒲郡市五井の
医王神古墳(いぼがみこふん)
古墳の岩の窪みに溜まった雨水
をいぼにつける

(1)雨水をつけるが静岡県沼津市原のいぼ神様以下11か所

(2)湧き水をつけるが静岡市大鈩の大鈩不動尊以下3か所

(3)御手洗いの神水をつけるが静岡県御殿場市竈の諏訪神社以下2か所

(4)塩をつけるが東京都足立区西新井大師の塩地蔵以下4か所

(5)砂をつけるが山梨県市川大門町のいぼとり地蔵以下2か所

(6)線香の灰をつけるが静岡県周智郡森町のいぼとりさん以下5か所

(7)石でいぼをこするが静岡県富士市本市場瘡守稲荷以下13か所

(8)柘植櫛でこするが神奈川県川崎市麻生区の常念寺の六地蔵

(9)植物の葉でこするが愛知県一宮市千秋町小山のいぼ地蔵尊

(10)木に祈るが静岡県榛原町細江の掉月庵のこぶ槇以下2か所

(11)石に祈るが静岡県静岡市用宗の白石大明神

(12)ただ祈るが静岡県浜松市西塚町の宇津木大明神以下5か所

(13)変わった祈り方をするが静岡県掛川市日坂の常現寺のいぼとり地蔵以下5か所


東京都から愛知県までの訪問するいぼとり神様・仏様も数少なくなりましたので、東京以北と愛知以南にも手を広げて訪れようと思い、最近手始めに埼玉県熊谷市とその隣の埼玉県大里郡大里村を訪問しました。
いずれチャンスがあれば秋田県、岩手県あるいは四国、九州にも訪問してみたいと夢はどんどんふくらんでいます。

各いぼとり神様・仏様についてはホームページの「いぼとり神様・仏様」を御覧下さい。

<編集者よりのお知らせ>(朝日新聞より転載)
いぼとり神様の内容が「朝日新聞静岡版、2003年4月19日(土)朝刊」に紹介されました。